タイ民商法典の第1196条から1207条までがタイ非公開株式会社の会計に関する規定となっています。
タイにおいても、決算書類の作成が現地法人に義務付けられており、決算書類は株式総会で承認後、1ヶ月以内に商務省または県商務事務所に提出します。これら提出された決算書類は、第三者も入手することができるのが特徴です。
2000年に施行された会計法は、会計全般を規定する法律で、この法律の施行細則として、同年8月に商務省から省令が公布されました。会計法及び省令には、以下の事項が規定されています。
①商務省が会計に関する行政を実施する旨
②作成保存する帳簿に関する規定
③会計担当者に関する規定
④タイ会計基準への準拠義務
⑤関連書類の保管義務
⑥記帳言語(タイ語に指定)
⑦罰則規定
タイの会計基準については、タイ国の会計士・会計監査人協会から、タイ国会計報告基準書(TFRS:Thai Financial Reporting Standards)が発表されています。
TFRSは、国際財務報告基準(IFRS:International Financial Reporting Standards)に概ね準拠した内容となっていますが、法人所得税、従業員給与、金融商品の一部などについては、IFRSに準拠したものとなっていません。
現在、公開企業向けのTFRS for PAEsと、非公開企業(NPAE)向けのTFRS for NPAEsの2つに基準が設けられています。ただし、日本から進出している現地法人の大半は、TFRS for NPAEsを適用しています。なお、NPAEでTFRS for NPAEsを適用しない企業は、TFRSを適用することになります。
タイの非公開企業向けのTFARS for NPAEsは、タイの公開企業向けのTFRS for PAEsに比べて、以下の点において差異を有しています。
財務諸表の作成
NPAEは、以下を作成する必要がありません。
・キャッシュフロー計算書
・連結財務諸表
・セグメント報告
・関連当事者取引の開示
・金融商品の開示
売掛金
売掛金は、正味実現可能価額から貸倒引当金を差し引いて計算されます。
貸倒引当金の計算方法として、以下の方法が認められています。
・売上に対する割合(%)
・売掛金残高に対する割合(%)
・特定の売掛金勘定に対する引き当て
上記の方法を採用することにより、マネジメントの裁量による選択範囲が広がりました。
有形固定資産
TFRS for NPAEsでは、有形固定資産を公正価値で再評価することを認められておらず、全ての有形固定資産は、取得後、減価償却累計額と累積減損額を原価から控除するという原価モデルを使用して測定しなければなりません。
リース
TFRS for NPAEsでは、ファイナンスリースに分類される状況の例を定めています。
・リース契約期間終了時、資産の所有権が賃借人に移転される
・賃借人は、公正価値よりも十分低い価格で資産を購入する権利を与えられている
※公正価値は、通常公正価値の5%以下
・所有権移転がなくても、リース契約期間が資産の耐用年数の主要部分を占めている
※耐用年数は、通常の80%以上
・リース開始時の最低リース総額の現在価値が、リース資産の公正価値と一致する
※公正価値は、通常の90%以上
課税
繰延税金資産および繰延税金負債の認識を選択する企業は、TAS12法人所得税の完全適用が求められます。
引当金および偶発債務
TFRS for NPAEsでは、企業に対して会計年度末に最善の見積もりをもって従業員給付債務の認識をすることを求めています。ただし、その債務を計算するために、わざわざ保険数理士を任命する必要はありません。タイの従業員給付の例として、年金やタイ労働法に基づく定年退職または雇用終了に対する補償(法定解雇補償金)が挙げられます。
外国為替レート変動の影響
TFRS for NPAEsでは、取引日におけるタイバーツと外貨の直物相場にて外貨金額を換算することにより、外貨取引を認識することとされています。つまり、外貨建て金融資産と金融負債は、それぞれ商業銀行の買い相場と売り相場を使用して換算しなければなりません。
タイの会計制度は、日本の会計制度と比べると以下のような特徴があります。
法定監査の義務
すべての現地法人(パートナーシップ出資を含む)について法定監査が義務付けられています。監査報告書付きの財務諸表を決算日から4ヶ月以内に株主総会へ提出して承認を受け、承認日から1ヶ月以内に商務省に提出しなければなりません。
会計基準の適用
タイにおいては、非公開企業を含む全ての企業に対して、上述のとおり会計基準の適用が強制されています。
会計担当者に関する規定
タイでは、会計担当者として勤務するための条件が規定されています。そのなかで、中小企業の会計担当者は短大で会計を専攻したか、それと同等の者、それ以外の企業とBOI許可企業の会計担当者は会計学士もしくはそれと同等の資格を有する者と規定されています。そのため、資格を有する会計担当者の確保という問題を解決する必要があります。
タイの会計制度は、日本の会計制度と比べると以下のような特徴があります。
法定監査の義務
すべての現地法人(パートナーシップ出資を含む)について法定監査が義務付けられています。監査報告書付きの財務諸表を決算日から4ヶ月以内に株主総会へ提出して承認を受け、承認日から1ヶ月以内に商務省に提出しなければなりません。
会計基準の適用
タイにおいては、非公開企業を含む全ての企業に対して、上述のとおり会計基準の適用が強制されています。
会計担当者に関する規定
タイでは、会計担当者として勤務するための条件が規定されています。そのなかで、中小企業の会計担当者は短大で会計を専攻したか、それと同等の者、それ以外の企業とBOI許可企業の会計担当者は会計学士もしくはそれと同等の資格を有する者と規定されています。そのため、資格を有する会計担当者の確保という問題を解決する必要があります。
法人税率
タイにおける法人税率は、2016年1月1日以降に開始する会計年度については、原則20%となっています。ただし、一部例外的な税率が課されており、一般企業において該当する可能性があるものを以下に記載します。
・国際輸送事業に従事する外国企業は、運賃・料金等の収入に対して3%
・タイで事業を行っていない外国企業が受け取る配当金収入に対して10%
・タイで事業を行っていない外国企業が受け取る配当金以外の収入に対して15%
・タイから事業を撤退する会社の資産売却収益に対して10%
法人税率の中小企業特例
払込済資本金500万バーツ以下で、かつ、収益が年度で3,000万バーツ以下の中小企業には、以下の累進税率が適用されます。
・所得が1~30万バーツまで:0%
・同30万超~300万バーツまで:10%(2017年1月1日からは15%)
・同300万バーツ超:20%
歳入局に登録を行うなどの条件を満たした中小企業に対して、近年、軽減税率が適用されます。
申告及び納付時期
税務申告の時期は、事業年度を6カ月経過した日から60日以内に中間申告、決算日から150日以内に確定申告を行い、法人税を納付しなければなりません。
中間申告の方法については、日本の予定申告または中間申告と同様の方法により申告納税することとされています。
課税対象
一方、タイ国内で事業活動を行わない法人は、サービス料、利息、配当、賃貸料、専門家指導料などのタイ国内源泉所得のみ課税対象となります。
駐在員事務所も納税義務者となりますが、タイ国内での営業活動は許されていないため、源泉徴収と申告義務のみ生じます。
税務登録申請
外国企業の現地法人は、設立日から60日以内にタイ歳入局に対してタックスID番号の登録申請を行う必要があります。
欠損金の繰越
税務上の欠損金は、5事業年度の繰り越しが認められており、その間の相殺も可能です。
配当金の受け取りに関する特例
法人間の配当金の受け取りについては、受取の3カ月以上前、または受取後に3カ月以上、株式を保有していなければなりません。また、以下の特例があります。
・配当金の受取会社が上場企業の場合、配当の全額が益金不算入となる
・配当金の受取会社が配当金支払会社の株式の25%以上を保有し、かつ相互持合でない場合、配当金額を益金不算入とし、源泉徴収申告書に所定の書類を添付すれば源泉徴収義務は免除される
・a.b.以外の場合、受取配当金の50%が益金不算入。ただし、源泉徴収義務がある。
交際費の取り扱い
交際費については、1,000万バーツを上限として、課税所得を構成する総収益の0.3%または払込済資本金0.3%のいずれかの大きい金額を限度として損金算入できる。ただし、そのためには、会社の権限者による承認を得ており、領収書または証拠がなければならない。
法人の源泉徴収
タイでは、法人の源泉徴収による納税が広範囲に求められています。
原則として源泉徴収月(支払月)の翌月7日までに納税しなければなりません。
源泉徴収税は所得者による前払税とみなされ、法人税の確定申告時に相殺することが可能です。一般の法人の主な源泉徴収税率は、以下となります。
・配当金は10%(ただし、タイ法人で25%以上の持分を保有する株主は免税)
・利子は10%
・内国法人が日本に支払う技術使用料は10%
・広告料は2%
・サービス料は3%(ただし、受取人が非恒久的な外国企業支店の場合は5%)
・専門家報酬は3%
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